今回は地盤改良工事についてのお話です。地盤が軟弱な土地に建物を建てると、長期的な建物の重さによって部分的に地盤が下がってしまったり、大きな地震の際には、地質によっては液状化を起こしてしまう可能性がありますが、 現在では、そのような事態を未然に防ぐ為に、ほとんどの場合は地盤改良工事による地盤の補強を行います。
地盤の強度を高める工事を「地盤改良工事」と言いますが、工法別にメリット、デメリットを調べてみました。どの工法がよかは建てる建物の大きさや重量そして敷地の地質によっても向き不向きがあります。
1.表層改良工法
支持層が浅い軟弱地盤に対し、セメント系固化材の粉体と土を施工機械で混合攪拌を繰り返した後、転圧締固めにより所定強度以上の平面改良体を作る工法です。工事期間は建物の規模にもよりますが、ほとんどの場合は1~2日で完了します。
「表層改良工法」のメリット
- 工事費用が比較的安価
- 他の工法に比べて小型の重機でも工事が可能
- 地盤にコンクリートや石が混入していても施工可能
「表層改良工法」のデメリット
- 地盤改良面より地下水位が高い場合は対応できない
- 勾配の強い地盤面では施工が難しい
- 職人さんの技術により仕上がりの強度にムラができやすい
*費用の相場:地盤改良工事の施工面積1坪(3.31㎡)あたり3万円程度が一般的
2.柱状改良工法
安定した地盤までセメントミルクを注入して土を柱状に固め、その上に基礎をつくるという方法です。工事期間は建物の規模にもよりますが、30本程度の杭であれば2~3日で完了します。
「柱状改良工」のメリット
- 比較的に小型の重機でも施工可能
- 地盤の強度によっては、支持層(強固な地盤)がなくても強度を保てる
「柱状改良工」のデメリット
- 施工後は地盤を現状に戻すことが非常に難しい
- 改良杭が残ってしまうので、土地の売買価格が下がる原因になることがある
*費用の相場:建物の建築面積1坪(3.31㎡)あたり4~5万円程度が一般的
3.鋼管杭工法
地盤補強の手法のひとつで小口径の鋼管を使用して杭状に貫入して、住宅の荷重を直接堅固な支持層(岩盤等)に伝えることができる工法です。杭にも既製杭と場所打ち杭がありますが通常の住宅なら既製杭かと思います。工事期間は建物の規模にもよります。
「鋼管杭工法」のメリット
- 強度が高く、重量のある建物にも対応可能
- 費用はかかるが、原状復帰することができる
「鋼管杭工法」のデメリット
- 支持層まで鋼管杭が届かなければ強度が保てない
- 大型の重機が必要なため敷地状況によっては工事が出来ない
- 工事中の騒音や振動が大きい
*費用の相場:建物の建築面積1坪(3.31㎡)あたり5~7万円程度が一般的
地盤改良工事と調べるともっと詳細な工事になっていまい専門的になってしまいますのでざっくりとした地盤改良工事の種類で書いてみました。土地の形状などで工事は変ります。どの工事が適しているかは個々に違いますので地盤改良工事を考えている方は費用のほか自分の土地に合っているかを考え何社かに見積りを作ってもらい慎重に選んだほうが良いと思います。
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